Excel。近似線をグラフに描くのは簡単だけど、どの種類を使えばいいの?
<線形近似・指数近似・多項式近似>
Excelで作成するグラフには、グラフ要素の追加から『近似曲線』というのを加えることができますが、MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)のExcel2016など試験勉強をしていると、指示された『近似曲線』を追加することはできるけど、この『近似曲線』に色々な種類があって、どのような時に使い分ければいいのか、わかりませんというのを耳にします。そこで、今回は、【線形近似】【指数近似】【多項式近似】の使い分けを確認していくことにしましょう。
【線形近似】
線形近似は、直線回帰ともいいますね。y=ax+bという公式でもお馴染みですよね。2つのデータに相関関係があるのかないのかを含めたうえで、相関関係が強い場合には、この公式からある程度の予測をすることができます。
一例として、売上高と来店客数をつかって、線形近似を描いています。
グラフには、近似曲線の書式設定にある、「グラフに数式を表示する」「グラフにR-2乗値を表示する」にチェックマークをつけるだけで、プロットエリア内に数式とR-2乗値を表示してくれます。
【指数近似】
指数近似はどのようなデータの場合に描くのでしょうか?指数近似は、データが急速に増加しているようなケース。
例えば、2倍8倍16倍…というような、指数関数的に増えていくときに描くといいといわれている、近似曲線です。
先程の回帰直線は、y=ax+bでしたが、指数近似の数式を表示すると異なっていることがわかります。
指数近似は、y=a*e^(b*x)という式を使っています。
【多項式近似】
多項式近似をつかった近似曲線は、先ほどの指数近似のデータとはことなり、緩やかに増加している場合に使うことが多いようですね。6月~11月まで来店客数自体は伸びていますが、2倍8倍なんていう、とんでもない成長はしていませんね。
緩やかに成長(増減)しているようなデータですね。
このような場合では、「多項式近似」を使うわけですね。
グラフに表示される数式は、y=ax^2+bx+cとなっています。
ただしこれは、次数を2にした時の形です。
次数は近似曲線の書式設定作業ウィンドウの近似曲線のオプションにあります。
そして、最大6まで設定できるようになっています。
この次数を6にしてみましょう。
なんと表示されている数式が、すごいことになりましたね。
5乗からの計算式に変わりましたね。
次数を増加するという意味はこのように数式が変わることを意味していますが、誤差を取り入れてしまい、大きなトレンドから外れてしまう恐れがあるので、次数はあまり変えないほうがいいといわれています。
このように、近似曲線を描くこと自体は簡単ですが、ケースによって使い分けるといいですね。