9/10/2024

Excel。パレート図のABCの棒グラフを自動的に別々の色に変更したい【Pareto chart】

Excel。パレート図のABCの棒グラフを自動的に別々の色に変更したい

<ABC分析とパレート図>

データが全体のA~Cのどこにあるのかがわかる、ABC分析。


数式を確認しておきましょう。


C2の構成比は、B9のSUM関数で算出した、売上高合計をつかって、算出しています。


=B2/$B$9


B9の合計は、オートフィルで数式をコピーしますので、絶対参照を忘れずに設定します。


パーセント表示にして小数第一位まで表示することにします。

オートフィルで数式をコピーします。


D2の累計構成比は、C列に算出した構成比の累計値です。


D2の数式は、

=SUM($C$2:C2)


始点を絶対参照にして、終点は、そのまま相対参照のままにします。

これで累計が算出できます。オートフィルで数式をコピーします


E列のABCですが、今回は、累計構成比の70%以下がA。

90%以下がB。

それ以外がCとします。


それを踏まえて、E2の数式は、

=IFS(D2<=70%,"A",D2<=90%,"B",TRUE,"C")

IFS関数をつかっていますが、IF+IF関数のネストでもOKです。


この数式も、オートフィルで数式をコピーします。


これで、どの店舗の売上高が、ABCのどのカテゴリーにあるのかが、確認できました。


このデータを元に、パレート図をつくります。


A1:B8とD1:D8を範囲選択します。


挿入タブの「統計グラフの挿入」のヒストグラムにパレート図があります。


これで、パレート図が完成しました。


ただ、できれば、A・B・Cなのかがわかりにくいので、色分けをしたいのですが、色分けをするには、棒グラフを一つずつ選択して、色を変える必要があります。


今回のデータは、少ないので、対応できる数かもしれません。


しかし、本来は、Cランクのデータは非常に多いので、自力で、棒グラフを選択して、色を変更するというのは、ほぼ無理といえます。


グラフ専用のアプリなどでは出来るようですが、Excelでは出来ないのでしょうか。


そこで、自動的にA・B・Cで色分けできるパレート図を紹介いたします。


Excelのグラフは、そのグラフを作るための表が必要になりますので、次のように表を修正します。


A・B・Cという列を追加します。


F2に設定した数式は、

=IF(E2="A",B2,0)

G2の数式は、

=IF(E2="B",B2,0)

H2の数式は、

=IF(E2="C",B2,0)


すべて、オートフィルで数式をコピーします。


追加した3列は、色分けするための列です。


ランクAならば、売上高をそのまま転記します。それ以外ならば0とします。

これを、ランクB・ランクCとつくります。


この追加した列をつかって、改めてパレート図をつくります。


A1:A8とD1:D8とF1:H8を範囲選択します。


挿入タブのおすすめグラフをクリックします。

 

グラフの挿入ダイアログボックスが表示されます。


すべてのグラフタブの「組み合わせ」をクリックします。


累計構成比は、第2軸にチェックマークをいれて、折れ線グラフに変更します。

A・B・Cはすべて、積み上げ縦棒グラフに変更します。


そして、OKボタンをクリックします。

パレート図

A・B・Cの棒グラフが別々の色にわけられたパレート図を作ることができました。


なぜ、棒グラフを、積み上げ縦棒にしたのかというと、棒グラフの太さを変更したい場合、積み上げ縦棒グラフにしておかないと、太さを変更することができないからです。


0という数字があるので、描かれていませんが、その0の縦棒グラフも太くなるのが原因です。


では、棒グラフを太くするのと、折れ線グラフの第2軸縦軸の上限を100%に変更していきます。


縦棒グラフを選択して、書式タブの「選択対象の書式設定」をクリックします。


データ系列の書式設定作業ウィンドウが表示されますので、系列のオプションにある「要素の間隔」を0にします。


つづいて、第2軸の縦軸をクリックします。


作業ウィンドウが、軸の書式設定にかわります。


軸のオプション の境界値にある「最大値」を1にします。

これで、100%までの縦軸にすることができます。


あとは、フォントサイズなどを整えたら完成です。

パレート図

このように、パレート図用の表を用意することで、自動的にABCで色分けしたグラフをつくることができます。