1/13/2017

Excel。AVERAGE。事務職のデータ分析その1。平均値は数種類ある?

Excel。事務職のデータ分析その1。平均値は数種類ある?

<AVERAGE関数とGEOMEAN関数とHARMEAN関数>


様々な分析手法はわからなくても、一般職や事務職でも、
会議資料の一つとして、データ分析用の資料作りをすることもあるようです。

そこで、事務職のデータ分析と題して、ご紹介していきたいと思っております。

そして、今回は、【平均値】について改めてご紹介していきます。

次のような表があります。

従業員の平均値を求めたいとしたら、お馴染みのAVERAGE関数で簡単に算出することには、
なんら問題はありませんよね。

C10の数式は、

=AVERAGE(C3:C9)


単なる平均でしょう。と思うかもしれませんが、データ分析の資料としては、基本の基本。

バカにしてはいけません。平均も大切なデータの一つです。

さて、このAVERAGE関数の平均ですが、実は、「相加平均」といいまして、
対象のグループに含まれる数値の合計を数値の個数で除算して求めますが、
データによっては、いわゆる「相加平均」では、
適切な平均を算出することが出来ない場合があります。

それは、次のケースです。

2012年から2017年までの出荷数と、
対前年の出荷数の比を求めた表なのですが、
この表から、対前年比の平均値を求めてみたいと思います。

H9の数式は、通常のAVERAGE関数を使ったもので、

=AVERAGE(H4:H8)


なんら問題はないように思えますが、検証してみましょう。

平均値なので、2012年の出荷数である1478に、
今求めた、103.36%を5回乗算すれば、2017年の出荷数になるはずです。

G9に次の数式を作成してみましょう。

=G3*H9^5

すると、次のように算出されました。

2017年の出荷数と異なった数値が算出されていますね。

実は比率における平均の計算には、「相加平均」ではなくて、
「相乗平均」で算出させる必要があるのです。

では、AVERAGE関数で求めようとしても
AVERAGE関数は「相加平均」なので求めることは出来ません。

そこで、【GEOMEAN関数】を使って算出させます。

GEOMEAN関数は、「相乗平均」を求めることが出来る関数なのです。

では、H10をクリックして、GEOMEAN関数ダイアログボックスを表示しましょう。

数値1に、範囲である、H4:H8を入力して、OKボタンをクリックしましょう。

H10の数式は、

=GEOMEAN(H4:H8)

では、先ほどと同じように、検証してみましょう。
G10に

=G3*H10^5

という数式を作成してみましょう。2017年の数値と合致したのが確認できましたね。

このように、AVERAGE関数で算出できないものもあります。

さらに、もう一つあります。それは、「調和平均」。

調和平均は、【HARMEAN関数】で算出することができます。

調和平均を使うケースは、「平均時速」を求めるケースです。


今回は、データ分析の基本の基本である。平均値を紹介しました。
そして、平均には、

「相和平均」AVERAGE関数

「相乗平均」GEOMEAN関数

「調和平均」HARMEAN関数

というのがあるんですね。

用途によって、使い分ける必要があります。