Excel。事務職のデータ分析その1。平均値は数種類ある?
<AVERAGE関数とGEOMEAN関数とHARMEAN関数>
様々な分析手法はわからなくても、一般職や事務職でも、
会議資料の一つとして、データ分析用の資料作りをすることもあるようです。
そこで、事務職のデータ分析と題して、ご紹介していきたいと思っております。
そして、今回は、【平均値】について改めてご紹介していきます。
次のような表があります。
従業員の平均値を求めたいとしたら、お馴染みのAVERAGE関数で簡単に算出することには、
なんら問題はありませんよね。
C10の数式は、
=AVERAGE(C3:C9)
単なる平均でしょう。と思うかもしれませんが、データ分析の資料としては、基本の基本。
バカにしてはいけません。平均も大切なデータの一つです。
さて、このAVERAGE関数の平均ですが、実は、「相加平均」といいまして、
対象のグループに含まれる数値の合計を数値の個数で除算して求めますが、
データによっては、いわゆる「相加平均」では、
適切な平均を算出することが出来ない場合があります。
それは、次のケースです。
2012年から2017年までの出荷数と、
対前年の出荷数の比を求めた表なのですが、
この表から、対前年比の平均値を求めてみたいと思います。
H9の数式は、通常のAVERAGE関数を使ったもので、
=AVERAGE(H4:H8)
なんら問題はないように思えますが、検証してみましょう。
平均値なので、2012年の出荷数である1478に、
今求めた、103.36%を5回乗算すれば、2017年の出荷数になるはずです。
G9に次の数式を作成してみましょう。
=G3*H9^5
すると、次のように算出されました。2017年の出荷数と異なった数値が算出されていますね。
実は比率における平均の計算には、「相加平均」ではなくて、
「相乗平均」で算出させる必要があるのです。
では、AVERAGE関数で求めようとしても
AVERAGE関数は「相加平均」なので求めることは出来ません。
そこで、【GEOMEAN関数】を使って算出させます。
GEOMEAN関数は、「相乗平均」を求めることが出来る関数なのです。
では、H10をクリックして、GEOMEAN関数ダイアログボックスを表示しましょう。
数値1に、範囲である、H4:H8を入力して、OKボタンをクリックしましょう。
H10の数式は、
=GEOMEAN(H4:H8)
では、先ほどと同じように、検証してみましょう。G10に
=G3*H10^5
という数式を作成してみましょう。2017年の数値と合致したのが確認できましたね。このように、AVERAGE関数で算出できないものもあります。
さらに、もう一つあります。それは、「調和平均」。
調和平均は、【HARMEAN関数】で算出することができます。
調和平均を使うケースは、「平均時速」を求めるケースです。
今回は、データ分析の基本の基本である。平均値を紹介しました。
そして、平均には、
「相和平均」AVERAGE関数
「相乗平均」GEOMEAN関数
「調和平均」HARMEAN関数
というのがあるんですね。用途によって、使い分ける必要があります。