Excel。ABC分析でお馴染みのパレート図をOffice365で作ってみよう。
<パレート図>
分析でお馴染みのパレート図を今回はOffice365のExcelで作っていきます。次の表を使っていきます。
今回のランクの条件は、構成比累計が80%までが「A」90%までが「B」。
それ以上が「C」としています。
【パレート図は第2軸を使用したグラフ】
パレート図は、集合縦棒グラフと折れ線グラフの2種類が混在したグラフですので、第2軸を使用したグラフを作成します。それでは、A1:B20とD1:D20を範囲選択します。
【アプローチはどれも同じ】
今回の第2軸を使用したグラフを作成するためには、基本的に3種類のアプローチがあります。1つ目は、挿入タブの「おすすめグラフ」をクリックして、グラフの挿入ダイアログボックスが表示されますので、『集合縦棒』の第2軸のグラフを選択します。
後述しますが、この中にある、『パレート図』は加工修正することができませんので、選択してはいけません。
2つ目は、挿入タブの「複合グラフの挿入」にある「集合縦棒-第2軸の折れ線」をクリックします。
3つ目は、挿入タブの「すべてのグラフを表示」をクリックします。
グラフの挿入ダイアログボックスが表示されます。
すべてのグラフにある、「組み合わせ」をクリックして、構成比累計に第2軸にチェックマークを入れて、グラフの種類を「折れ線」にして、OKボタンをクリックします。
この3種類の方法がありますが、どれでも構いません。
次のような第2軸を使ったグラフが挿入されます。
【グラフを加工する】
今回は説明のためグラフを大きく見えるようにしたいので、グラフタイトルと凡例を削除します。加工修正する点を確認しておきましょう。
・横軸の店舗名が読みにくいので、縦書きにする
・集合縦棒グラフを太くする
・折れ線グラフを交点0から始まるようにする
・第2縦軸を最大値100%にして、パーセント表示にする
これらを一つずつ確認していきましょう。
【横軸の店舗名が読みにくいので、縦書きにする】
横軸をクリックします。方向の中にある「縦書き」をクリックします。これで、縦書きにかわります。
【集合縦棒グラフを太くする】
集合縦棒グラフをクリックします。書式タブにある「選択対象の書式設定」をクリックします。この時、グラフ要素は、「系列”金額”」になっていることを確認しておきます。
データ系列の書式設定作業ウィンドウが表示されます。
系列のオプションにある「要素の間隔」を0%にすることで、集合縦棒グラフを太くすることができます。
グラフの加工修正はここまでできました。
【折れ線グラフを交点0から始まるようにする】
折れ線グラフですが、先頭のデータの空いているところから描き始めています。描きはじめをX軸Y軸とも0(ゼロ)、すなわち交点0から折れ線グラフを描くにはどうしたらいいのかを確認していきましょう。
折れ線グラフをクリックして、アクティブにします。
グラフの元の表を見ると、数式バーにグラフの数式が表示されていることが確認できます。
=SERIES(パレート図!$D$1,パレート図!$A$2:$A$20,パレート図!$D$2:$D$20,2)
この数式の3つ目の引数に注目します。
パレート図!$D$2:$D$20,2は、折れ線グラフを描くための範囲です。
この範囲をパレート図!$D$1:$D$20,2と修正します。
$D$2を$D$1にしただけです。
グラフの数式は、
=SERIES(パレート図!$D$1,パレート図!$A$2:$A$20,パレート図!$D$1:$D$20,2)
と変更されました。
なお、カラーリファレンスを使って範囲を拡張しても構いません。
折れ線グラフが横軸に接地するように変わりました。
続いて、第2横軸を表示して、折れ線グラフを交点0側にスライドさせていきますので、グラフのデザインタブの「グラフ要素を追加」の軸から「第2横軸」をクリックして、第2横軸を表示します。
グラフの上部に第2横軸が表示されましたので、第2横軸を選択します。
書式タブの「選択対象の書式設定」をクリックして、軸の書式設定作業ウィンドウが表示されます。
軸位置を目盛に変更すると、交点0から描くことができます。
あとは上部に表示させて第2横軸は不要なので見えなくさせていきます。
削除すると、折れ線グラフは元の位置に戻ってしまうので、見えなくさせる処理をします。
引き続き、軸の書式設定の目盛から、「目盛の種類」を「なし」に変更します。
これは何をやっているのかというと、
目盛りの線が外側を向いて表示しているので、非表示にしましたという処理です。
あとは、表示自体を消しますので、
軸の書式設定作業ウィンドウのラベルにある「ラベルの位置」を「なし」に変更します。
グラフの加工修正もあとわずかです。
第2縦軸が最初はパーセント表示だったのですが、加工修正すると、表示形式が解除されるので、パーセント表示にします。
第2縦軸をクリックして、軸のオプションの最大値を「1.0」にします。
今回のグラフは100%を超過することはありません。
表示形式をパーセンテージに変更します。
これでほぼ完成ですね。あとは、縦軸の間隔を調整したり、塗りつぶしたりして見やすくして完成です。
このように、パレート図を描くことができます。
最後に注意する点を紹介しておきます。
【やってはいけないパレート図】
加工修正することで綺麗でわかりやすいパレート図を作れるのですが、次の方法での作成はお勧めしません。グラフの挿入ダイアログボックスから「パレート図」を選択します。
同じようにパレート図が挿入されるのですが、折れ線グラフを選択しても、数式バーにグラフを描くための数式も表示されず、カラーリファレンスも表示されません。
横軸も縦書きにすることができません。
即席で作成するにはいいのですが、加工修正ができませんので、注意が必要です。