Excel。事務職のデータ分析その9。移動平均グラフを作ってみよう
<移動平均:AVERAGE&INT&IFERROR関数>
最近は、事務職でも資料作りの一環で、データ分析系の資料作成をする人が増えてきたそうですので、
あまり馴染みがないものも少しずつ慣れていくようにしましょう。
今回は、移動平均グラフを作っていきます。
移動平均を使うことで、
短期間での状況把握だけでなく、長期間での状況把握をおこない、
傾向を把握することが出来るようになります。
算出自体は基本的に平均値を算出するだけですが、
一定の期間をスライドさせながら平均値を算出することによって、
移動平均を算出することが出来ます。
小売業に限らず、
「季節変動」や「無作為変動」などがありますので、
現場ではよく使われている資料の一つだと思います。
次のような売上表があります。
数値だけ見ると、何がなんだかよくわかりませんね。
傾向として安定しているのか?そうでないのか?がわかりません。
では、移動平均グラフを作成したいのですが、
この表のままではグラフを作成することが出来ません。
データを一列に変更する必要があります。
G列には、
2016年1月から2018年12月までの売上高を一列に結合しております。
H列には、移動平均を算出します。
今回の期間(区間)は、12ヶ月としますので、
12ヶ月分のデータが揃っている、
H14に12ヶ月分の平均値を算出しますので、
=AVERAGE(G3:G14)
という数式を作成して、
上下それぞれに、オートフィルで数式をコピーしてみましょう。
算出は出来たのですが、数値が綺麗でないというか、
アレンジが必要な感じですね。
まずは、今回は、
数値を整数化してG列と同じように小数点がない形式に変更しますので、
INT関数を使って数式を変更しましょう。H14の数式を次のように修正します。
=INT(AVERAGE(G3:G14))
では、オートフィルで数式をコピーしましょう。
次に#REF!というエラーが表示されたままだと、
格好悪いので、IFERROR関数を数式に加えて空白にしましょう。
H14の数式は、
=IFERROR(INT(AVERAGE(G3:G14)),"")
オートフィルで数式をコピーしておきます。
これで空白に変えることが出来ました。
データの準備が出来ましたので、グラフを作成していきましょう。
F3:H38を範囲選択して、マーカー付き折れ線グラフを挿入していきましょう。
G3:H38でもいいのですが、ある特徴がありますので、F3:H38で作成します。
グラフは10月から描かれていますよね。
これは、H列の移動平均が空白になっているので、
10月から描かれています。
その説明のために、F列を範囲選択に含めてみました。
グラフをアレンジしていきましょう。
横軸は不要ですので、横軸をクリックして、DELキーで非表示にしましょう。
グラフタイトルも変更しておきましょう。
あとは、凡例ですね。
売上高がメチャクチャになっていますので、売上高という文字だけにしましょう。
グラフツールのデザインタブにある「データの選択」をクリックします。
データソースの選択ダイアログボックスが表示されますので、
凡例項目(系列)にある、売上高583…をクリックして、
編集ボタンをクリックします。
系列名を、
=移動平均!$G$2
に変更してOKボタンをクリックします。
同じように、凡例の移動平均も修正します。
そして、データソースの選択ダイアログボックスのOKボタンを
クリックします。
グラフは次のように修正されました。
このようにして、移動平均グラフを作ることで、
長期間の動きや傾向も把握しやすくなりますよ。