Excel。事務職のデータ分析その11。回帰分析って聞くけど難しいんでしょう?
<回帰分析>
Excelで、ビジネスデータ分析を勉強してくると【回帰分析】というコトバに遭遇する事になるはずです。
【回帰分析】は、
例えば、価格と売上個数の関係を具体化することが出来たりします。
今までベテランさんの経験値とか直感に頼るのではなく、
より具体的にその関係を把握できるメリットがあります。
ただ、事務職のスタッフさんは分析云々というよりも、
会議資料の一つとして、【回帰分析】も作ることが出来ますよ。
というほうが大切なのではと思います。
実は、【回帰分析】の資料を作るだけなら、
Excelを使うと難しくはないんです。
次の表を使って説明してみましょう。
では、数値ではわかりにくいので、
「見える化」である、グラフにしてみましょう。
今回は、
『販売金額が変わると、売上個数が増減する』
という関係を想定して作ってみましょう。
使うグラフは【散布図】を使っていきますので、
B1:C16を範囲選択して、挿入タブの散布図を選択してクリックしましょう。
散布図グラフが表示されました。
実は、これで完成といえば完成なのですが、
イマイチなので、アレンジしていきます。
まずは、縦軸と横軸ともに数値が0(ゼロ)から始まっていますので、
縦軸の最小値を20から、横軸の、最小値75からに変更してみます。
そしてこのグラフに、【近似曲線】を加えていきましょう。
グラフツールのデザインタブにある、グラフ要素を追加から、
「近似曲線」の中にある、「その他の近似曲線オプション」をクリックします。
グラフの右上にある、グラフ要素の追加ボタンからでも当然OKです。
右側に、近似曲線の書式設定作業ウインドウが表示されますので、
近似値のオプションの中から、線形近似をチェックして、
「グラフに数式を追加する」と「グラフにR-2乗値を表示する」の
それぞれに、チェックマークをつけます。
散布図のグラフに、近似曲線が追加されました。
そして、グラフには、数式とR-2乗値も表示されているのが確認出来ますね。
【回帰分析】のグラフとしては、これで完成です。
あとは、会議の場で、
喧々諤々とやっていただければいいのですが、
この数式とR-2乗値が気になりますよね。
y = -1.4641x + 184.76
これは、y=ax-bという一次関数で、
今回の想定は、
『販売金額が変わると、売上個数が増減する』
ということでしたので、xは販売金額で、yが売上個数を表しています。
売上個数=a ×販売金額 + b
を意味していますので、
売上個数=-1.4641×販売金額 + 184.76を表している数式です。
では、-1.4641は何を意味しているのかというと、
販売金額を1円UPすると-1.4641個、
売上個数が減少するということを意味しています。
184.76は、「切片」といって、
y=ax-bのxに0を入れたときのy値を表します。
仮に、販売価格を120円としたときには、
売上個数=-1.4641×120+184.76で
約9個が売れるということが予測することが出来るときに使う値です。
当然予測なので、R-2乗値を表示しておくことによって、
「販売金額の想定によって売上個数の上下の幅」を確認することが出来ます。
R-2乗値は決定係数ともいいます。
このR-2の値は1に近いほど、予測精度は高くなります。
【回帰分析】を使って分析というよりも、
まずは今まで会議で使用している資料に
プラスアルファする資料を短時間で作ることが出来る事を
知っているということが、大切だと思われますので、
機会がありましたら、作ってみてはいかがでしょうか?