Excel。学生のためだけではない、偏差値はどのように算出するの?
<AVERAGE&STDEV.P関数>
受験生にはお馴染みの『偏差値』。今回は、Excelで算出すればいいのか確認してみましょう。
次の得点表があります。
Aさんは、英語・国語ともに70点を取ったようです。同じ70点でも難易度が違うなど、条件が異なりますから、70という数値だけ見ても意味がありません。
最初に考えるのは、平均値との差がどうなのか?を考えます。
平均を算出するのは、Excelでは何の問題もありませんね。AVERAGE関数を使えば簡単に算出することができます。
すると、英語は59.8で国語は74.3と算出されました。
I2の数式は、=AVERAGE(C2:C16)
70点から考えてみると、英語は、平均よりも良い場所にあることがわかりました。
逆に国語は、平均以下ということがわかり、全体からすれば、下位にあることがわかりました。
成績の良しあしは、自分の点数が平均よりもどのぐらいの差があるのかが重要になります。
しかし、平均点との差だけを考えてはいけません。
見た目、英語は得点差のバラツキが少ないように感じますが、国語は100点の人が数人いますが、40点以下の人もチラホラいますよね。
まとまった塊なのか、二極化しているのかということも考慮する必要があります。
平均の差だけでなく、グループ全体のばらつきも考える必要があるわけです。
そこで、ばらつきの大きさを表すのが「標準偏差」です。
Excelで標準偏差を算出するには、STDEV.P関数を使えば簡単に算出することができます。
I3の数式は、
=STDEV.P(C2:C16)
平均と同じように、範囲選択するだけなので、簡単ですね。
平均との差とばらつきの大きさの数値をみて、どうなんだと考えるのは、少し面倒です。
そこで、登場する新たな指標が『偏差値』というわけです。
この偏差値は、次のような公式があって簡単に算出することができます。
偏差値=(各データ ― 平均点) ÷ 標準偏差 × 10 + 50
わかりやすい数値にするために、×10+50して、偏差値が20~80の間になるように調整しています。
それでは、偏差値の公式に当てはめて、偏差値を算出してみましょう。
E2の数式は、
=(C2-I$2)/I$3*10+50
です。
平均値と標準偏差は、オートフィルを使って数式をコピーすることを踏まえて、複合参照にしています。
このように、Excelを使えば、平均値、標準偏差、そして偏差値を簡単に算出することができます。
今回は、データの都合上たった15件ですが、もっと件数を増やせば精度が向上します。
会議の資料など、一つのデータの数値だけにとらわれやすい傾向にあるかもしれませんが、様々な角度からデータを見られるように、偏差値という一つの指標を学生さんだけでなく、ビジネスシーンでも使うことで、違った側面が見えるようになるかもしれませんね。