Excel。国語・英語・数学。標準化すれば、どこを強化すればいいか見えてきます。
<AVERAGE関数・STDEV.S関数・STANDARDIZE関数>
会議の資料によくある、数字ばかりの資料。売上高や得点など実際の数値の方に目が向きやすい傾向があります。単純にいえば、教科の得点など、数値が大きい方が、いいのに決まっていますから、そこに着目するわけですね。
例えば、次の教科ごとのテスト得点表があります。
国語と英語と数学のテスト結果の一覧ですが、これを見て、Aさんは数学を重点的に強化したほうがいい感じを受けますよね。
しかし、教科ごとによって、テスト内容は違いますし、難易度も変わりますよね。
これは、売り場ごとの商材によっても変わるのと同じですね。
このように条件が異なる場合では、平均と標準偏差を算出し、その後、平均と標準偏差を使って『標準化』した値を算出することで、状況が見えてきます。
では、平均と標準偏差を算出していきます。
お馴染みの平均ですが、B6の数式は、
=AVERAGE(B2:B5)
続いて標準偏差ですが、標準偏差を算出する関数は、STDEV.S関数です。
STDEV.S関数ダイアログボックスを表示してもいいですが、簡単なので、直接入力してもつくれます。
標準偏差を算出しているB7の数式は、
=STDEV.S(B2:B5)
数式自体はあっさりしていますが、これで標準偏差を算出することができます。
あとは、オートフィルで数式をコピーします。
この表だけではまだ『標準化』を算出したわけではありません。
今回は下側に同じフレームの表を用意します。
B10に標準化した結果を表示していきます。
標準化するための関数も用意されています。
それが、『STANDARDIZE関数』です。
平均と標準偏差を算出したのは、このSTANDARDIZE関数の引数で必要になるのも理由の一つです。
では、B10をクリックしてSTANDARDIZE関数ダイアログボックスを表示します。
Xには、B2を設定します。
平均には、B$6を設定します。
複合参照にしているのは、このあと、オートフィルで数式をコピーするからですね。
行番号を固定しておきます。
標準偏差には、B$7を設定します。平均と同じように、複合参照にしておきます。
あとは、オートフィルで数式をコピーします。
そして、平均と標準偏差も改めて算出しましょう。
これで、標準化を算出することができました。
標準正規分布グラフを思い出せばわかってきますが、0に近い方が平均に寄っているわけです。
要するに0から遠ざかると、平均値から外れる。
さらに、マイナスの場合は平均値以下ということなので、今回のような成績の場合、より注視されるのはマイナスの数値で、0より遠い数値ということになります。
例えばBさんの場合、英語が60点といい感じがしますが、国語の50点よりも、英語全体から見れば、よくないことがわかります。
なので、まずは英語をより注視して対応するほうがいいということが、見えてきたりします。
このように、数字の大小だけを判断材料にするのは、ちょっとどうなのかな?という時には、いろんな角度からみられる資料を作ってみるというのもいいのかもしれませんね。