Excel。数式の検証をしても、
数式が修正されるわけではありません。
数式の検証
様々な講義をしておりますと、MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)という、オデッセイさんが運営している、マイクロソフトさんの検定がありまして、
その説明やらもお話しすることがあります。
このMOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)の
MOS2010のWordとExcelにはスペシャリストとエキスパートという資格にわかれておりまして、
エキスパートがなかなかキツメの内容でして、独学だと厳しいとおっしゃる方もいたりします。
で、ここからが本題なのですが、
MOS Excel2010 のエキスパートの試験範囲の中に、
数式の検証というのがありまして、
これが非常に苦手という方が多いようでして、
また、実務でも知っていると使えなくもないので、
今回は、この
【数式の検証】
の攻略方法というか、使い方をご紹介しましょう。まずは、数式の検証の場所を確認しておきましょう。
数式タブのワークシート分析に、【数式の検証】というボタンがあります。
このボタンをクリックすると、ダイアログボックスが登場します。
検証というボックスには、そのセルの計算式が表示されてきます。
検証ボタンをクリックすると、検証ボックスの数式を一つずつ、
実行して確認していくことが出来ます。
プログラマーさんには、わかりやすいですが、つまりこれは、デバッグ機能なんですね。
検証ボタンをクリックしていって、エラーが表示された時点で、
そこがエラーの根源だと、判明するという訳です。
本来は、数式が長い場合に、カラーリファレンスでは、
分かりにくいので、
この【数式の検証】を実行するとわかりやすい。
エラーを見つけやすい訳で、ドッシリと腰を据えて、デバッグする”はず”なのですが、
MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)だと、
そうゆっくりという訳にはいかないのです。
この試験は、時間無制限という訳ではないので、とっとと、解答しないといけないわけです。
では、どう攻略していくのか。という話をしていくことにしましょう。
まずは、下記の表を見てみましょう。
2行目は、合計がきちんと算出されていますが、
3行目は、#VALUE!というエラーが表示されています。
H3のセルの数式を、【数式の検証】を使って、修正してみるということだとしたら、
どうしたらいいのでしょうか?
まず、この表で、大きなヒントが隠されています。それは、#VALUE!というエラー。
これは、数字じゃないデータが混ざっているということです。
日頃から、Excelを使っていると、様々なエラーと”おつきあい”をしている訳ですが、
そうすると、エラーコードをみれば、どんなことが起こっているのか?
どこに原因があるのか?が推測できるわけです。
例えば、
エラーコードが、#DIV/0!だったら、ゼロで除算している。
とか、#N/Aだったら、値がない時という意味のエラーですね。
ですので、まずは、Excelの七つのエラーの意味を知っているといいかと思います。
エラーコードに関しては、Blog(Excel。Excelの7つのエラーと######表示をご紹介。)
で記載していますので、ご覧下さい。
そして、今回は、#VALUE!というエラーなので、
どうやら数字じゃないデータが混ざっているというのが推測できるわけです。
ここで、一気に数式バーで修正をしちゃうと、
MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)だとNGなわけです。
【数式の検証】を使っていないので、【数式の検証】を使っていきましょう。
当たり前かもしれませんが、ご存じでない方も多いので、ご説明しておきますが、
この【数式の検証】の検証ボタンをクリックしていっても、
数式が修正されるわけではないんですね。
あくまでも、発見するためのツールでしかありません。エラーが出ているH3をクリックして、【数式の検証】ボタンをクリックすると、
ダイアログボックスが表示されてきます。その中の検証のボックスを見ていきましょう。
H3の中身、計算式が表示されていますね。ここで、検証ボタンをクリックしますと、
B3のところが、B3のデータが表示されてきました。B3は、1ですね。
ですので、1に変わりましたね。
この確認作業を繰り返していきます。
数字が表示されている間は気にせず、検証ボタンをクリック、クリックしていきましょう。
そうすると、””(ダブルコーテーション)で囲まれた文字が表示されてくるはずです。
この””(ダブルコーテーション)で囲まれているものは、数値ではなく、文字データということです。#VALUE!というエラーは、数値じゃないものが混ざっているというエラーなので、
この文字データが表示されてきたらしめたものです。
おおっ、出てきましたね、”4月”。つまりこいつが犯人なわけです。
ここで重要なのが、この【数式の検証】。戻れないんですね。
つまり、この”4月”のデータはどのセル番地か、分からないわけです。
ですので、コツとしては、次のF3というセル番地を覚えておいて、
その前に犯人が潜んでいる訳ですね。
では、再度検証ボタンをクリックしてみましょう。
おおつ、#VALUE!という文字が出てきましたね。
こいつがやっぱり、犯人でした。
次は修正作業と犯人のセル番地を探す作業になりますが、
【数式の検証】を終わらせないと、
MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)ではNGとなってしまいますので、
まずは、検証ボタンをクリックして、終わらせます。
検証ボタンが、再び開始ボタンになったら、閉じるボタンでダイアログボックスを閉じます。
仕事や、実務では、再び開始ボタンを押して、再度確認作業をしていくのがいいのですが、
試験ではいかに早く修正するかが大切になりますので、
H3をクリックして、数式バーを確認してみましょう。
F3の前で、エラーが出ていたわけですから、数式を確認してみると、
F3の前は、E1。むむむっ…E1は”4月”。
これをE3に修正すればいいわけだと、判明しましたので、数式を修正して、完成!!
ただ、今回の例は、数式が短かったので、
検証ボタンをクリックして進めるだけでも、判断できたのですが、
数式が長い場合や、分かりにくい場合、数式が複雑な場合だと、
犯人を見つけにくいこともあるかと思います。
その場合は、ステップイン・ステップアウトのボタンを使ってみましょう。
ワンステップずつ、セル番地とその内容が確認することができますので、
検証・ステップイン・ステップアウトのボタンを使ってみるといいでしょう。