6/03/2017

Excel。事務職のデータ分析その5。標準偏差を関数で算出してみよう。【STDEV.S】

Excel。事務職のデータ分析その5。標準偏差を関数で算出してみよう。

<STDEV.P関数とSTDEV.S関数>


最近は、事務職でも資料作りの一環で、
データ分析系の資料作成をする人が増えてきたそうですので、
あまり馴染みがないものも少しずつ慣れていくようにしましょう。

ということで、
前回は、『標準偏差』の関数を使わないで算出してみましたので、
今回は、関数を使って、『標準偏差』を算出してみます。

まず、登場する関数は、
STDEV.P関数STDEV.S関数

STDEV.P関数は、
スタンダード・ディビエーション・ポピュレーションと読みます。
データ全体の『標準偏差』を算出する関数です。

なお、Excel2007以前は、STDEVP関数なので、注意が必要です。
「.」(ドット)の有無の違いがあります。

もう一つの、STDEV.S関数は、
スタンダード・ディビエーション・サンプルと読みます。

データをサンプルと考え、そのデータから偏差の推定値を算出する関数です。
こちらの関数は、Excel2007以降に登場した関数です。

では、次の表があります。

H4をクリックして、STDEV.P関数ダイアログボックスを表示します。

数値1に、C3:C22を入力して、OKボタンをクリックします。

簡単に、『標準偏差』を算出することが出来ましたね。

なので、
前回、どういうプロセスで算出しているのかをご紹介したわけです。

でないと、どの数値を今後どのようにしていけばいいのかが、
わからなくなる危険性があるのです。

ではもう一つの、STDEV.S関数も算出してみましょう。

H5をクリックして、STDEV.S関数ダイアログボックスを表示しましょう。

数値1に、C3:C22を入力して、OKボタンをクリックします。

あとは、OKボタンをクリックしましょう。

算出されましたが、先ほどの、STDEV.P関数と算出結果が異なっていますよね。

これは、STDEV.P関数が、C3:C22の全データを使って算出しているのですが、
STDEV.S関数は、C3:C22のデータをサンプルとみて算出しています。

少し詳しく説明すると、
『分散』を求めるときに偏差の2乗の合計を算出して、
その値からサンプル数から-1(マイナス1)した値で除算して算出しています。

このため、算出された『標準偏差』の値は、
STDEV.P関数<STDEV.S関数となり、
STDEV.S関数の算出値のほうが大きくなります。

ただ、大きな差異がないので、
ビジネスの現場では、
どちらを使用してもかまわないといわれていますが…
数値がことなっているのですから、厳密には統計学上。違いはあるはずです。

さて、今回は、STDEV.P関数とSTDEV.S関数をご紹介しましたが、
『標準偏差』を短時間で算出できましたが、
分散を算出するために、平均から偏差を算出し、
偏差を2乗して、
その偏差の2乗の平均の平方根で『標準偏差』を求める方法も
知っていて損はないと思います。